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妊娠初期の体調の変化、妊娠初期の症状を把握しよう

November 16, 2015
約 9 分
妊娠初期の体調の変化、妊娠初期の症状を把握しよう

妊娠初期になると、様々な体調の変化や症状が現れるようになります。熱っぽかったりだるかったり、風邪の初期症状にも似ているので、最初は「あれ、風邪かな?」と思う人も多いようです。けれども、風邪の初期症状と妊娠初期の症状は違います。では、その妊娠初期症状とは、どのようなものなのでしょうか。また、なぜそのような症状が現れてしまうのでしょうか。そこで、妊娠初期に現れる体調の変化や症状と、それが起こるメカニズムについて、お伝えしたいと思います。

妊娠初期に現れる体調の変化や症状にはどんなものがある?

妊娠 準備自らの内に新しい生命を宿した母体。その体内では、これから十月十日(とつきとおか)かけてその生命を育んでいくために、着々と支度が進められています。妊娠初期症状は、その支度を通じて、身体が妊娠に適応するために起こしている変化の現れです。

ところで、妊娠初期というのは、だいたいいつくらいのことを言うのでしょうか。「妊娠初期」は、妊娠2か月から妊娠4か月、週数で言うと妊娠4週目から15週目のことです。いつごろから妊娠初期の諸症状を自覚するようになるのかと言うと、実は人によって時期も程度も異なります。人によっては妊娠2か月目(妊娠4週目)から妊娠初期症状が出る人もいますし、逆に殆ど症状らしいものを自覚することなく妊娠中期に入る人もいます。

では、妊娠初期に現れる体調の変化や症状にはどのようなものがあるのでしょうか。現れ方は人によって異なるものの、おおよそ共通して以下の様な症状を自覚する場合が多いようです。

体温が高い状態が続く

体温が平熱よりも高い状態が続く、熱っぽい、頭痛がする

身体がだるい

身体がだるくて疲れが取れない、疲れやすい、倦怠感、やる気が出ない。集中力が下がる、注意力が散漫になってミスをしやすくなる

眠気

強い眠気を感じる、しっかり睡眠をとっていても寝足りない感じがする

イライラ

情緒が不安定になる、イライラしやすくなる

おりものが変化

おりものの量が増える、質が変わる(白くてドロっとしたおりものが、透明でサラッとしたおりものに変わる)

つわり

吐き気、胃のムカつき、胃がもたれる、胸焼けがする、嗜好が変わる、特定の臭いに敏感になる、食べても(飲んでも)吐いてしまう、食欲が落ちる、食べたくなくなる、常に何か食べていないと気持ち悪くなる、立ちくらみを起こす、貧血

胸の張り

胸が張ってくる、乳首がチクチクする、乳首に痛みを感じる

便通が変化

尿が近くなる、便秘がちになる

皮膚トラブルが出る

顔に吹き出物、体の一部に痒み

その他、
腰痛
鼠径部のあたりに違和感を覚える
お腹が張った感じがする

などがあります。

なぜそのような症状が現れてしまうのか?

女性ホルモン妊娠初期には、上に挙げたような諸症状が現れます。では、なぜ妊娠初期になるとこのような症状が現れるのでしょうか?どのような仕組みで、これらの症状は引き起こされているのでしょうか。

一番大きく影響しているのは、女性ホルモンです。妊娠すると、女性ホルモンの分泌バランスが変化します。妊娠初期のホルモンバランスの変化が、女性の身体に大きな影響を及ぼし、それが様々な症状となって現れるのが、「妊娠初期症状」なのです。

妊娠していないときと、妊娠してからとでは、女性ホルモンの分泌バランスが変わります。どう変化するのか、それを見ていくために、まず、妊娠していないとき、女性ホルモンはどのようにバランスが取られているのかを見ていきましょう。

エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)。この二つの女性ホルモンの働きによって、女性の身体のリズムがつくりだされています。月経(生理)が起こるのも、この二つの女性ホルモンの働きによるものです。

およそ28日間の月経周期のなかで、女性の基礎体温は、基礎体温が低い時期と高い時期とがあります。基礎体温が低い時期(低温相)には、エストロゲンが多く分泌されます。エストロゲンは、女性らしさをもたらすホルモンと言われています。自律神経の働きに大きく影響を及ぼし、また女性らしい体つきをつくりだす作用があるホルモンです。

そして基礎体温が高い時期(高温相)には、プロゲステロンが多く分泌されます。エストロゲンが女性らしさをもたらすなら、このプロゲステロンは妊娠をもたらします。子宮内膜に働きかけ、受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態をつくりだし、また着床後もその状態が保たれるように作用し続けます。

普段は、これらエストロゲンとプロゲステロンが、交互に分泌を多くしたり少なくしたりしています。交互に優位になることで、女性の身体に月経のリズムがつくりだされているのです。

ところが、妊娠すると、このホルモンのバランスに変化が生じます。プロゲステロンが、ずっと分泌しつづけられるのです。プロゲステロンは、妊娠しやすい状態をつくりだし、また妊娠を維持する働きをします。妊娠を助けるために、このプロゲステロンが分泌され続けるのです。

プロゲステロンは、基礎体温を上昇させる働きがあります。プロゲステロンが分泌され続けることで、身体は生理前の時期のような、基礎体温が高い状態がつづきます。妊娠初期に、体温がふだんよりも高くなったり、微熱が続いたり、熱っぽかったりするのは、そのためです。

プロゲステロンには睡眠を促す作用もあるため、昼間でも眠いといった状態を引き起こします。また、ふだんよりも体温が高い状態がつづいているために、頭がぼーっとしてしまったり、疲れやすくなったりします。集中力が落ちたり、意識が散漫になってしまったりすることもあります。

更には、プロゲステロンの働きにより、胃や腸など消化に関わる臓器の動きが抑制されます。平滑筋という内臓の筋肉の働きが抑えられるため、胃腸の働きがゆっくりになってしまうのです。この影響で起こる、胃や腸の諸症状が「つわり」と呼ばれるものです。

また、腸の働きが抑制されるために、妊娠初期の段階から便秘がちになる人もいます。

体温が高いことで、新陳代謝も活発になり、おりものの量が増える場合もあります。妊娠前は白くてどろっとしたおりものだったのが、妊娠後は透明でサラッとしたものになります。ホルモンバランスの変化の影響もあり、皮脂からの分泌も多くなります。そのため、顔にニキビのような吹き出物が出たり、身体の一部分に強いかゆみを覚えたり、皮膚に症状が現れることもあります。

ところで、さきほど少し「つわり」について触れました。プロゲステロンによって胃腸の動きが抑制されることで生じた諸症状が「つわり」と呼ばれるものです。実は、「つわり」がなぜ起こるかは、まだちゃんと解明されてはいません。けれども、プロゲステロンの他にも、この「つわり」に大きな影響を及ぼしているらしい、と言われるホルモンが、もう一つあります。

それが、人繊毛性ゴナドトロピンというホルモンです。

人繊毛性ゴナドトロピンというややこしい名前を聞く機会はそう多くないかもしれません。でも、市販の妊娠検査薬で、陰性か陽性かを判定するのに指標にしている「hCG」と言ったらご存じの方も多いかもしれません。この「hCG」は、人繊毛性ゴナドトロピンのことです。

人繊毛性ゴナドトロピン(以下、「hCG」)の一番大きな働きは、プロゲステロンの分泌を増やすことです。黄体に働きかけて活動を促進し、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌を促します。それにより、子宮の収縮を抑えて流産になるのを防ぎ、妊娠状態を維持する作用をもたらしていると考えられています。そして、このhCGが嘔吐中枢を刺激するために、「つわり」の典型的な症状の一つ「吐き気」が引き起こされているのではないか、と言われています。

また、hCGは、甲状腺ホルモンを分泌させる働きがあります。この甲状腺ホルモンは、胎児の成長に必要なホルモンで、とりわけ神経系の発育に非常に大きな影響を及ぼしていると言われています。そのため、妊娠初期に甲状腺ホルモンが増えることは、お腹の中の赤ちゃんにとっては非常に大切なのですが、この甲状腺ホルモンによって、つわりがひどくなってしまうこともあります。

プロゲステロンとhCGの他にも、「つわり」には、精神的な面も大きく影響しています。初期にかぎらず、妊娠中はホルモンバランスが変化し、自律神経も乱れがちになるため、情緒的にも不安定になりがちです。そして、その情緒不安定な状態が、胃腸の状態や諸々の症状にも少なからぬ影響を及ぼします。

妊娠初期に起こる身体の変化として、他に、血液量の増加というのも挙げられます。体内では、出産時の出血に備え、積極的に造血が行われます。造血によって血流量が増えるために、全身に温かい血液が巡り、それによって体温がふだんよりも上がる、とも言われています。

ところが、この血液。通常(妊娠前)よりも水分量は多いものの、赤血球は少ない、非常に水っぽい質の血液なのです。立ちくらみや貧血を起こしやすくなるのは、そのためです。

妊娠初期の段階でも、子宮は徐々に大きくなっています。そのため、子宮に膀胱が圧迫されて、尿が近くなったり、圧迫感を感じることもあります。

また、鼠径部の違和感や腰痛の症状が現れる場合もあります。妊娠3か月くらいから、リラキシンという女性ホルモンの分泌が始まります。リラキシンは、骨盤の中の関節、特に恥骨結合と呼ばれる関節を緩める作用があります。このことで、これからますます大きくなっていく子宮に対応し、また出産分娩をスムーズにすることができるのです。

ところが、骨盤の中の関節を緩めるということは、骨盤を支えている靭帯や筋肉、腱などを緩めてしまう、ということになります。これまで骨盤で支えていたものが、支えが効かなくなるために、周りの筋肉や腱、関節にかかる負担が大きくなります。腰痛や、鼠径部の違和感が起こるのも、そのためです。

このように、妊娠初期に現れる様々な症状の多くは、妊娠初期に分泌される女性ホルモンが影響して起こっています。女性の体が妊娠状態に入ると、プロゲステロンやhCGやリラキシンといった女性ホルモンが、母体となった身体に変化を促し、胎児を育むための環境づくりを進めます。妊娠を維持し、この必要な変化に適応するために起こっていることが、結果、症状となって現れているのが、妊娠初期症状なのです。

新たな生命を育む支度が着々と進んでいます

出産の支度妊娠初期には、ふだんより体温が高くなって熱っぽかったり、身体がだるくなったり、眠気や倦怠感を覚えたり、気持ち悪くなったり、吐き気がしたり、嗜好が変わったり、トイレが近くなったり腰痛が起こったりします。

これら妊娠初期の諸症状は、妊娠にともなう女性ホルモンの分泌バランスの変化と、女性ホルモンによる影響とによって生じます。妊娠によって「母」となった身体は、新たな生命を育んでいくために、自身の体に変化を起こし、その支度を進めていきます。妊娠初期症状は、その支度を通じて起こしている変化の現れです。