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助産師のもとで「自分らしく自然なお産」のメリットとデメリットとは

December 2, 2015
約 6 分
助産師のもとで「自分らしく自然なお産」のメリットとデメリットとは

自分らしい出産がしたい!自然なお産をしたい!

出産にあたって、「自分らしいお産」を希望する人が増えています。お産に関する情報があふれる中、どこで産むか(病院だけでなく助産院や自宅出産など)、「どうやって産むか」(フリースタイルや水中出産、無痛分娩など)、こだわりを持って理想のお産をしたいという妊婦さんがますます多くなってきています。

そうした流れの中、お産をする場所として、病院ではなく、助産院や自宅出産を選ぶ妊婦さんが増えています。産婦人科医のもと医療機関(病院)ではなく、助産師のもとで、助産院や自宅で出産をしたいと希望する人が最近増加しています。

助産院でのメリット

助産師のもとでお産をする最大のメリットは、自分の理想とする出産スタイルを実現させやすいことです。とくに、アクティブバースと呼ばれる、医療介入を必要最小限におさえた「自然なお産」がしたいという強い希望を持っている妊婦さんの中には、病院ではなく助産院や自宅出産を選択する人が多いようです。

また、自然なお産にはそこまで強い希望がない場合でも、会陰切開や陣痛促進剤などの医療行為は避けたいという人にとっては、助産師のもとでのお産は希望を叶える大きな選択肢になります。

助産院では陣痛促進剤を使ったりすることなく、産婦さんの体の声をききながら、自然に進んでいくお産の波に委ねていくため、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもより負担の少ないお産が実現しやすいと言われています。

フリースタイル出産

フリースタイル出産という分娩方式をとることができるのも、助産師のもとでお産をするメリットのひとつです。フリースタイル出産は、産婦さんが、自分の気持ちに合わせて自由に場所や姿勢を選び、お産に臨みます。畳の上や、床、水中など、また姿勢も横向きや四つん這いなど、産婦さん自身が一番楽な姿勢をとって出産に臨むことができます。

病院でのお産の場合、分娩台の上で医師や助産師の指導のもとに行われるのが一般的ですが、フリースタイルの場合、産婦さんが、自分が一番楽な姿勢を選びます。産婦さん自身が楽に感じる姿勢をとりながら、陣痛とともに自然にお産が進んでいくのに身を任せることで、無理に息むことなく自然なお産をはかります。

お産は産婦さん主導となり、医師や助産師はあくまで産婦さんがその姿勢でお産をするのを手助けする側として関わることになります。産婦さん自身にとって楽な姿勢がとれるので、骨盤もより開きやすくなり、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても、どちらにもより優しいお産になるのがフリースタイル出産の特長です。

家庭的な環境での出産

助産院のなかには、子連れ入院が可能なところもあります。自宅出産の場合と共に、より家庭的な環境で新しい生命を迎えることができるのも、助産師のもとでお産をする魅力のひとつかもしれません。子連れ出産や立ち会い出産のほかにも、自然食やマクロビオティックの食事を出してくれるのを売りにしている助産院もあります。

産後すぐに母乳のケアをしてもらえたり、アロママッサージなどの体のケアをしてもらえたりする助産院もあります。出産という一大事業を成し遂げてすぐ新生児のお世話というハードな状況にあるお母さんにとって、このようなサービスはとても嬉しいものです。

とりわけ、初めての出産の場合、お産自体も、子どもが生まれてすぐどうしたらよいのかも、よくわからないことが多いもの。そうしたときお産と赤ちゃんのお世話のエキスパートである助産師がそばにいてくれるのは非常に心強いものです。とりわけ授乳の際、赤ちゃんが生まれたばかりだと、まだ赤ちゃんもお母さんも慣れなくて、うまくいかないことが多いものです。不安なことやわからないことも沢山出てきます。そんなときに、すぐに専門家に相談したりサポートがもらえたりする環境はとても大きいです。

このように、助産師のもとでお産をするメリットや魅力も大きいですが、もちろん、リスクやデメリットもあります。助産師のもとでお産をする一番の、そして最大のリスクは、安全性です。

助産院でのデメリット

助産師は、 厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子 と定義されています。助産師になるためには国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を得る必要があります。

助産師が扱えるお産は法律で限定されています。助産院の場合も、自宅出産の場合も、どちらにも共通していることなのですが、助産師のもとで出産を行うには、条件があるのです。その条件とはどのようなものかと言えば、ひとつは、合併症等がなく正常な妊娠経過であること。そしてもうひとつが正常なお産であること、です。

緊急時の対応

これは逆の見方をすると、妊娠経過に何らかの異常やリスクがある場合、また正期産(妊娠37週以降42週未満の分娩)でない場合には、助産院でのお産はできない、ということになります。特に、逆子の場合や、過去の出産で帝王切開の手術をしたことがある場合、母子の安全という点からリスクが非常に高いため、助産師のもとでのお産はできません。安全面を再優先に考え、医師のもとで緊急時にも対応できる病院での出産を選択するのが賢明です。

経過により病院へ搬送される

また、お産に際して助産師ができることも規定されています。先述の通り、助産師は正常な妊娠・分娩のサポートをすることができます。しかし、帝王切開や陣痛促進剤、会陰切開などの医療行為を行うことはできません。したがって、自然なお産を希望して助産院で産もうとしていても、お産の経過によっては、病院に緊急搬送になる場合もあります。これは、出産をするお母さんの方の経過に異常がある場合はもちろん、生まれてきた赤ちゃんの状態に関しても同様です。新生児に何かあったときに、助産師のもとで蘇生を行うことはできません。病院に搬送して、専門家のもとで措置を行う必要があります。

助産師のもとでのお産では、こういった事態も、可能性としては少ないものの、起こりうることは認識しておく必要があります。妊娠中、また出産分娩時は、たとえそれまでの経過が順調であったとしても、いつ母子の生命に関わる異常や異変が起こっても不思議ではありません。助産師という産科医療専門職のもとでのお産であっても、緊急時に必要な医療を受けることは、母子の生命、母子の安全のためにも絶対的に大切なことです。

助産師のもとでのお産を希望する場合には、事前に助産師さんと緊急時の対応についてよく相談したり説明を受けたりしておくことが肝要です。助産院のなかには、特定の病院と提携し、異常時に備えているところもあります。助産院を選ぶ際には、その提携先や、異常時の搬送先なども考慮に入れるとより安心です。

助産院で産むということ

助産師まとめ助産師のもとでのお産は、より自然で母体にも赤ちゃんにもやさしいお産を実現できると人気です。新しい生命と対面する感動の瞬間を、お産の専門家である助産師さんの支えのもと、自分らしく自然なスタイルで迎えられるのは大きな魅力でもあります。

しかし同時に、安全性の面でリスクがあるのも事実。たとえ自分らしい自然なお産がしたいと希望しても、その希望が叶わない場合もあります。「万が一」は起こらないことが殆どではありますが、それでも自分にその「イチ」が起こる可能性は「ゼロ」ではありません。

お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても、そして家族にとっても、何を一番優先させるか。理想のお産、自然な自分らしいお産を大切にしつつ、母子ともに安全で幸せなお産のために、万が一の場合にはそれを手放す勇気と柔軟性をも一緒に持っておきたいものですね。