
読むだけで子供がすぐに眠ると話題の世界的ベストセラー「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」を知っているだろうか?
この本はスウェーデンの行動科学者が自身のサイトで無料公開していたところ本当に眠るとその効果が口コミで広がり、2010年に自費出版したところ異例の大ヒットを飛ばしたという本。さらに2014年に英訳されるとイギリスAmazonで総合1位を獲得。それを皮切りにアメリカ、カナダ、フランス、スペイン、イタリアなどで次々と大ヒットし、今後も40カ国で翻訳が決まっているという、まさに世界的ベストセラーな一冊なのである。
そんな世界的ベストセラーが2015年11月ついに日本でも発売し、ブームを巻き起こしている。テレビでも取り上げられたが、何より人気を増進させているのがSNSなどの口コミだ。いち早く本を手に入れた人が効果の程をSNSで次々に拡散し、寝かしつけに悩む子育て世代を中心に日本でも話題沸騰になっている。
肝心な本の内容はというと、眠りたいのに眠れない子ウサギのロジャーがお母さんウサギと一緒に必ず眠らせてくれるというあくびおじさんに会いに行くというストーリー。途中に登場する「おねむのカタツムリ」や「ウトウトフクロウ」などなんとも眠くさせてくれるようなネーミングのキャラクターもどうしたら眠れるかを助言してくれる。本には至る所に入眠ワードが散りばめられていて、さらに読み聞かせには少しコツがあり細やかな指示も入っている。太字の箇所は強調し、色文字の箇所はゆっくりと。ここであくびをするようになどと動作の指示もされていたりもする。
「ゆっくり ゆっくり 」や 「ゆーらゆら」などの繰り返しの表現や「両手がおもくなる」「まぶたがおもくなる」等のフレーズは半ば催眠術のように読んでいる大人までをも眠りへと誘ってくれる。「考えごとをぜーんぶ、頭の中から取りだして、おふとんの横にある箱に入れちゃうのはどう?」などの助言はストレスや悩みを抱える大人にも優しい表現だ。
寝つきの悪さや不眠症に悩んでいる大人も実際購入している模様で、本の冒頭には「車を運転している人のそばで絶対音読しないこと」との注意書きが書かれているがあながち嘘ではないのかもしれない。
ストーリーは30ページ程になるが、SNSに投稿された読み聞かせ実体験によると、最後まで聞くことなく途中で力尽きて眠ってしまう子供が多いようだ。リラクゼーションを目的とした心理学に基づいたストーリーは健やかなよい眠りへとゆっくりゆっくり誘導してくれる。
寝かしつけた後に自分の時間を確保して…と考えるパパやママには少し注意が必要かもしれないが、寝かしつけに困る世界中のパパやママが絶賛するこの一冊は試してみる価値があるのかもしれない。