
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で卵膜という薄い膜に包まれた羊水の中にいます。破水とは、この赤ちゃんと羊水を包んでいた卵膜が破れて羊水が外に流れ出る現象のことをいいます。
目次
卵膜が破れる原因
卵膜が破れる原因には様々あります。通常では陣痛中にいきむことで破れることもありますし、お産に向けて子宮が収縮する過程で破れることも、お産が近づいて自然と破れることもあります。早産の時期に破水してしまうケースとしては、重い物を持ち上げた拍子に破れることや、性行為や激しい胎動、高齢出産や卵膜の異常、喫煙などの影響の場合もあり、内外問わず様々な原因があるのです。
破水の時期と種類
お産の流れ
前駆陣痛→おしるし→本陣痛→破水→出産
お産までのモデルケースとして、上記のような流れがあります。しかし前駆陣痛やおしるしが無く、本陣痛から始まるお産もありますし、さらには本陣痛よりも先に破水から始まるお産もあります。破水は時期によって呼び名が変わるので、一度整理をしてみましょう。
適時破水
陣痛が起こり、子宮口も全開大の10㎝に開いた頃に起こる正常な時期の破水。
早期破水
陣痛が起こり、子宮口が全開になる前に起こる破水。
前期破水(プロム)
陣痛が起こる前に起こる破水。
完全破水
子宮口付近の卵膜が破れる破水で大量に勢い良く羊水がでます。
高位破水
子宮口から遠い高位の一部が破れる破水で羊水が少しづつ漏れ出てきます。
流れ出す羊水の量
妊娠後期の羊水量は通常500ml程度です。バシャッと大量に流れ出てくる完全破水と、じんわりチョロチョロ流れ出てくる高位破水では様子が変わります。じんわり出てくる高位破水の場合は尿モレと区別が付きにくいので注意が必要です。
羊水の特徴
羊水の色は透明やおしるしが混ざった薄ピンク色が多く、匂いは無臭〜生臭い場合がありますが、もしも尿モレならアンモニア臭がするので、そこは見分けるポイントになります。そして一番分かりやすいのは力を入れても自分の意志では止めることができないことです。動く度に出てきたり、ジワジワと止まったり流れたりが繰り返されている場合は羊水の可能性が高いです。もしも自分で判断がつかない時は破水を放置してしまうのは危険なので、病院に相談しましょう。
破水の注意点
適時破水で既に病院にいる陣痛時に破水が起こると安心ですが、早期破水や前期破水で病院に行く前に破水が起こることも少なくありません。破水したということは、赤ちゃんと外の世界が通じたということです。感染を予防するために早く病院で処置をする必要があるので、病院以外で破水が起きた場合はまず病院へ連絡をしましょう。いつからどのような羊水がどの位の量出ているのか、陣痛はあるのか、何週目なのか、逆子と言われているかどうかなど、できる範囲を伝えて医師の指示を仰ぎましょう。破水が起きた場合は膣内から細菌が入る可能性があるので、お風呂やシャワーは絶対浴びてはいけません。また羊水が緑色がかっている時には注意して下さい。赤ちゃんが羊水の中でウンチをしたか、細菌に感染している恐れがあります。すぐに処置が必要なので医師にきちんと伝えましょう。
病院へ行こう
破水があったと病院に電話をかけると、すぐに来てくださいと大抵言われるでしょう。その際は動き回ると羊水が出やすくなってしまうので、あまり動かないように徒歩ではなく自分以外が運転する車、タクシーなどで向かいましょう。
参照 陣痛タクシーの登録を忘れずに。
その際には羊水が流れ出る可能性もあるので、産褥ナプキンや夜用のナプキンなど清潔なパッドを下着にはあてて、更にバスタオルを服の上から腰に巻いたりゴミ袋を座席に敷いて漏れ防止措置をとれると良いですね。車内では静かに横になって移動しましょう。
救急車を呼んでもいい?
予定日間際には陣痛より先に破水が起こることは珍しくはありません。なので破水だけなら救急車を呼ばず、タクシーや家族等が運転する車で病院に向かうのは良いと思います。しかし痛みが強くて動けなかったり、大量の出血を伴っていたり、今にも赤ちゃんの頭が出てきそうな場合、またはタクシーが中々つかまらない場合などは救急車を使って問題ないでしょう。病院に連絡する際に救急車を呼ぶべきかどうかも聞いておくと良いでしょう。
事前に確認を
陣痛からはじまった場合は時間にまだ余裕があるので、まずは間隔を計り様子を見ますが、破水から始まった場合はすぐに病院へ連絡をして迅速な対応が必要です。破水が起こればお産までもう間近で、通常24時間以内に本陣痛が来てお産に繋がるのです。
臨月前には入院グッズ、病院の連絡先、家族への連絡、陣痛タクシーの登録などの準備を済ませ、破水が先にあった場合を想定したシミュレーションも考えて家族と共有し、準備を万全にしておくと焦らず対応できるので良いでしょう。